真夏のピークが去って秋が近づいてきても、屋内の「害虫対策」においては油断禁物です。台風や秋雨前線によって降水量が増える影響で、湿気を好む虫たちがあなたの家にやってくるからです。その中には、ダニやハエといったおなじみの面々だけでなく、「チャタテムシ」「トコジラミ」といった耳慣れない名前の害虫も含まれます。これらを含む5種の生態と、予防や駆除の方法を解説します。(住生活ジャーナリスト 藤原千秋)
真夏のピークが去っても
「害虫シーズン」はまだまだ続く
真夏のピークが去っても、気温の高い日はまだまだ続きます。秋は台風の影響などで降水量も多め。梅雨に勝るとも劣らぬ「蒸し蒸し、ジメジメ」に見舞われがちです。となれば、害虫の発生もまた、まだまだ続くわけです。
「THE・夏の害虫」とも言うべきゴキブリについては、前回記事『実はゴキブリの糞!家で見たら疑うべきものとは?Gの意外な侵入経路も解説』でご説明しました。
今回は、夏から秋にかけてしばしば住まいに現れる、小さくも悩ましい害虫たちを紹介し、おのおのへの地味でも確実な対処法をご説明したいと思います。
チャタテムシ
チャタテムシと言われても、見たことも聞いたこともないという人も多いかもしれません。しかしチャタテムシは、初夏から初秋にかけてよく住まいに現れるありふれた害虫です。体長は1ミリ程度で、肉眼で見える人にはダニと混同されているふしがあります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ネット通販をよく利用するようになり、荷物が宅配される頻度が増し、空の段ボール箱がたまりがちな家も多いことでしょう。そんな段ボールをごみの収集日まで保管する際に“しけらせて”しまうことで、チャタテムシが発生するケースがあります。
チャタテムシが大量発生すると、遠目には小麦粉状の白い粉がぶちまけられているように見えます。「なんでこんなところに粉が?」といぶかしんで近づいてみると、カサカサと動く、おびただしい小さな虫が、なんてことも……。