嫌われ者のゴキブリだが、その姿を知ることで、彼らに対する見方は大きく変わるはずだ。「大好き!」とはならなくても、得体のしれない怖さは減らすことができるかもしれない。生き物の分類をひもとくと、ゴキブリは意外な昆虫の親戚であることが分かる。まれに見られる「白いゴキブリ」の正体も意外なものであり、知ると“G”への興味が増すはずだ。磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員・柳澤静磨氏の著書『ゴキブリ研究はじめました』(イースト・プレス)から一部抜粋し、その実態をお届けする(イラストはかわさきしゅんいち氏)。
嫌われ者のゴキブリだが
その実態を学んでみよう
ゴキブリについて話をすると、たまに「ゴキブリは昆虫ですか?」と質問を受けることがあります。なにかと怖がられていて正体不明な雰囲気のあるゴキブリですが、彼らもクワガタやチョウ、アリやテントウムシと同じ昆虫です。
昆虫は、小学校の理科の授業にも登場する生き物です。体が頭・胸・腹の3つの部位で構成され、基本的に肢は6本、翅は4枚。肢はすべて胸から生えています。そして、ゴキブリの体も同じようになっています。
昆虫の中で彼らゴキブリにどのような特徴があるかというと、多くの場合、体は扁平で、糸状に長い触角を持ちます。6本の肢はトゲが並んだ同じ形をしていて、腹部の先端には「尾肢」というツノのようなものが生えています。また、数個~数十個の卵を「卵鞘」というお財布状の入れ物に包んで産み出すのも特徴的です。