ドル円「144円」台に上昇、ドル高円安の持続性を過去の利上げ局面との比較で占うPhoto:JIJI

米利上げ開始から半年
過去にないドル高円安

 米連邦準備理事会(FRB)が2022年3月16日に利上げを始めてから、半年が経過する。過去5回の利上げ局面のうち、米利上げ開始から半年間の利上げ幅をみると、最も大きかったのは、1994年の1.75%だった。

 しかし、今年3月からの利上げ幅はすでに2.25%に達し、9月には少なくとも0.5%の追加利上げが実施される見込みだ。近年にない急速な利上げペースである。

 急激な利上げによって、ドル円は過去5回の利上げ局面と異なる反応を示した。ドル円は、3月の利上げ開始前の118円台から144円台まで2割以上も円安に動いた(本稿執筆時点)。一方、過去5回の利上げ局面におけるドル円は、ドル安円高の動きを示した。

 今回の利上げ局面でドル円が正反対に動いたのは、急速な利上げの影響が大きかったとみられる。今後の米政策金利の行方を予想し、ドル円相場への示唆を考察する。