これについて、26日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」はPCR検査などの結果、いずれもインフルエンザが発熱の原因だったと確認され、封鎖措置も解除すると伝えている。
5月までの北朝鮮の感染傾向について、有識者らは「致死率の低さ」も指摘している。
北朝鮮の致死率は0.0016%。インドを除くアジア最悪となった韓国のオミクロン株流行時の致死率が0.12%と報じられているので約75分の1となる。
この時、韓国の2回目のワクチン接種率は82%ほどだったが、北朝鮮の接種率は0%に近いと推測される状況にもかかわらずだ。
もっとも、中国も北朝鮮も発表される統計は、独裁政権によるものなので、正しくない前提で見る必要があり、真に受けるのはミスリードにつながる。
「まん延しすぎて隠しきれなくなったのでは?」と話すのは、宮塚コリア研究所の宮塚利雄代表。
「4月15日(太陽節=金日成・元主席の生誕日)と4月25日の朝鮮人民革命軍創建日での軍事パレードという重要な大型イベントが終わったことと、北朝鮮人民にとってこれまた重要な、田植えのシーズンの前というタイミングだったから発表した可能性があります」
北朝鮮では5月末以降、田植えのシーズンとなる。平壌など大都市からも人を借り出して総出で行うため、「田植え戦闘」とも呼ばれる一大行事。朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」でも連日のように田植えの様子を伝えるのが恒例となっている。