アップルは衛星サービス提供会社グローバルスターを月には送ってはいない。だが、地球の軌道近くで十分かもしれない。アップルは7日開催した製品発表会で、新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)14」は衛星経由の通信サービスに対応していると明らかにし、かねてくすぶっていたうわさをようやく認めた。「緊急SOS」と呼ばれるこのサービスでは、携帯の電波が届かない辺地でもiPhone 14からメッセージを送ることができる。アップルによると、サービスは11月に開始され、iPhone 14購入者は2年間無料で利用することができる。その後の料金設定については明らかにしていない。グローバルスターは7日、当局への届け出で、アップルと提携してサービスを提供することを確認した。合意では、新規の衛星も含め、サービスの提供に必要な通信網の整備にグローバルスターが投じた金額の95%はアップルが負担する。またグローバルスターは「既存および将来の通信能力」の85%をアップルのサービスに振り向ける必要がある。これについてB.ライリーのアナリスト、マイク・クロフォード氏は「十分に活用されていなかった資産を一気に生産性の高い資産へと変身させた」と指摘している。