◆「前例がない」は危険なサイン…凡人が突破口を見つける方法
【悩んだら歴史に相談せよ】『リーダーは日本史に学べ』の著者が、舞台を世界へ広げた『リーダーは世界史に学べ』。東京大学・羽田 正名誉教授の監修のもと、世界史に名を刻む35人の言葉から、現代のビジネスに必要な「決断力」「洞察力」「育成力」「人間力」「健康力」と5つの力を磨く術を解説する。
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天才の発想は「ニーズ起点」
ダ・ヴィンチ流に学ぶ顧客志向
価値の出発点は「自分」ではなく「相手」にある
レオナルド・ダ・ヴィンチは、天才ゆえに己の赴くまま自由に作品を創り出した人物と思われがちです。しかし実際には、「誰かのニーズに応えること」を発想の出発点としていました。
たとえば、ミラノ公に宛てた自薦状において、彼は自身の芸術性や画力ではなく、軍事技術や建設技術といった“実用的な価値”を前面にアピールしています。そこには、「あなたのために、自分は何ができるのか」という顧客起点の視点が明確に込められていました。
現代経営への示唆
顧客視点こそが「選ばれる」最短ルート
このダ・ヴィンチの姿勢は、現代のビジネスや経営に対しても非常に重要な示唆を与えてくれます。
企業は往々にして「自社が売りたいもの」や「自社の強み」に固執してしまいがちです。しかし、顧客が真に求めていることを理解せずに商品を押しつけてしまえば、どれほど優れた技術やデザインであっても選ばれることはありません。
「求められていることに徹底して寄り添う」ことが、結果として「自社の売りたいものを選んでもらう」ための最短ルートとなります。
「社長室の穴熊」から抜け出し
現場の生の声を聞く
では、顧客の求めに寄り添うためには何が必要なのでしょうか。
マーケティング調査や日々の営業活動から現場の声を拾うことも、もちろん重要です。しかしそれに加えて経営において極めて重要なのは、経営者自身が直接顧客の声に耳を傾けようとする姿勢です。得意先を訪問して対話したり、実際の店舗に立ってお客様の反応やクレームを直接受け止めたりすることが不可欠です。
一見すると当たり前のことのようですが、この基本ができていない経営者は少なくありません。社長室という「穴熊」にこもり、顧客のリアルな声を知らないまま「自社が売りたいもの」を売り、結果としての売上高や利益に一喜一憂しているケースは意外なほど多いのです。



