中国では日本の第7波について「感染が拡大して災害レベルに達している」と報じられている。 Photo:PIXTA中国では日本の第7波について「感染が拡大して災害レベルに達している」と報じられているという Photo:PIXTA

日本では今年の7月以降、新型コロナウイルスの第7波が感染拡大している。新規感染者数が多かった半面、重症化する人が少ないため、特に政府としては行動制限を行わなかったのはご存じの通りだ。しかし中国では、日本の第7波拡大について「感染が拡大して災害レベルに達している」「この世の終わり」「崩壊!血の警告!」などとおどろおどろしく報じられていたという。なぜこうした事態になったのか調べてみると、それは実に「中国らしい」理由だった。(日中福祉プランニング代表 王 青)

最近、在日中国人が困惑している“問い合わせ”とは?

「日本はとんでもないことになっているのでしょう?大丈夫?感染していない?くれぐれも気をつけて、自分の身を守ってくださいね!」

「日本は1日で25万人も感染しているって、こちらのテレビでは言っているよ。大変だね!」

「日本の医療はもう崩壊している?もしだめなら帰ってきて。避難したほうがいいよ」

 ここ数日、ほとんどの在日中国人に、中国国内にいる家族や友人からこのような声が届いている。一度ならず数十回、中には100回以上も聞かれている人も……。

 筆者の中国人の友人(東京在住)は、「最初は丁寧にお礼を言って、『大丈夫です、こちらは普通に生活しています』と答えていたけど、あまりにもあちこちから問い合わせが来るので、いちいち返事するのも疲れてきた。最近はもう無視している」と話す。また、在日中国人が集まるコミュニティのSNSグループには、日本の感染状況に関する中国での会話をまとめたものが投稿されている。それを見ると、「人間煉獄」「水深火熱」(いずれも中国語で、地獄のような大変苦しい様子)、「尸横遍地」(日本語で「死屍累々」の意味)といったおどろおどろしい単語が目立つ。

 一体なぜ、このような心配の声が出てくるのか。