SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「自虐」で許されるポジション
僕が「愛着」を利用して共同幻想をつくった話をしようと思います。
2006年にスタートした「ニコニコ動画」では、おもしろいサービスを一緒に作り上げている感覚をユーザーに思い込ませることが大事でした。
ユーザーからの要望を受け入れて、「ここが自分たちの居場所だ」と思える関係性を作るように、プロモーションや広報は動きました。
それにより、サービスに「思い入れ」が生まれます。
ニコ動ユーザーは「ニコ中」と呼ばれました。2ちゃんねるでは、「2ちゃんねらー」という呼ばれ方でした。
こういうネーミングは大事なんですよね。自分たちのことを言いやすい言葉があったほうが、親近感がわきます。自分自身のアイデンティティの一部のように思ってもらえて、「愛着」が生まれるんです。
すると、あるメリットが生じます。それが、「失敗したときに許してもらえる」ということなのです。
「インフラの不具合」には腹を立てる
たとえば、グーグルのGmailは便利で多くの人に使われているけれど、Gmailに愛着がある人は少数でしょう。
だから、サーバーがダウンしてメールが届かなくなると一斉に全員が怒り出します。
一方で、ニコニコ動画の場合は、サーバーが落ちても、「まあ、しょうがないよね」と、許容してくれるユーザーが多かった。
当たり前のように使っている「インフラ」だと不具合が起こると怒りがわくのに、「好きで選んでいるサービス」には怒りの感情は出てこない。
トラブルですら愛着につながっていきます。
「しょせんこんなもの」というものが広まっていく
くだらないサービスでも、「こんなくだらないことをやっちゃってるよ」と、自覚してやってしまう行動があります。ツイッター好きを「ツイ廃」と言うような感覚ですね。
そういう愛着が生まれるかどうかの違いは大きいのです。そのためには、ネットのサービスなんて、「しょせん時間潰しでムダなもの」という前提に立たないといけません。
「しょせんこんなもの」という自虐性があったほうがいい。そうすることにより、影響力は一人歩きして広がっていきます。
さて、もっと詳しい話については、『99%はバイアス』という本に書きましたので、ぜひチェックしてみてください。