世界的干ばつで水力発電ピンチ 再エネ推進に打撃Photo:David McNew/gettyimages

 世界各地で今年発生している記録的な干ばつで河川や貯水池が干上がり、世界最大の再生可能エネルギーである水力発電が打撃を受けている。

 中国・欧州・米国では、ダムの水を利用した発電の減少により全体の発電量が低迷している。このため一部の地域では、工場や精錬所が何週間も続けて操業停止に追い込まれた。

 米カリフォルニア州の送電網は今週、2020年以来最大となる停電の危機に直面した。電力需要が記録的な水準に高まったことに加え、水不足に陥った水力発電所などからの電力供給が不足したためだ。

 各国政府が化石燃料からの転換を進め、気候変動により自然エネルギー源の信頼性が揺らぐ中、現在起きている干ばつは、エネルギーミックスの中に水力発電をどのように位置付けるべきかという問題を提起している。

 コンサルティング会社バリンガでエネルギー関連インフラ専門のパートナーを務めるダンカン・シンクレア氏は「輸送や暖房などのニーズに対応するために電力への依存度が高まっているが、同時にエネルギーシステムへのリスクも増大している。ダブルパンチだ」と話した。