米スターバックスの次期最高経営責任者(CEO)に指名されたラクスマン・ナラシムハン氏(55)は、長年のキャリアの中で数十億ドル規模の事業をいくつも指揮し、経営を強化してきた実績がある。
同氏が次に向き合う課題は、世界有数の認知度を誇るブランドを、CEOを3度務めてきたハワード・シュルツ氏(69)と並んで率いることだ。
ナラシムハン氏のCEO就任は約7カ月後の予定だ。10月の入社時の肩書きは「次期CEO」。同社を世界的ブランドに育て上げたシュルツ氏が引き続き「暫定CEO」を務める。シュルツ氏は今年4月にCEOに復帰して一時的なかじ取りにあたっている。
「ハワードから学びたい」。シアトルのスターバックス本社で7日に開かれた社内の従業員集会で、ナラシムハン氏はこう語った。現在は英消費財大手レキットベンキーザー・グループでCEOを務めている。
ナラシムハン氏は、シュルツ氏らスターバックス幹部が進める戦略計画に基づくロードマップの大枠が決められた上で、正式にCEOを引き継ぐ。シュルツ氏は株主および取締役、同社文化の見守り役として重要な役割を担い続ける。
シュルツ氏をはじめとする幹部はこの数カ月、スターバックスの未来を方向づける戦略を練ってきた。同社によると、店舗運営の改革や従業員の福利厚生改善を含むこの計画は2025年まで続く予定で、ナラシムハン氏のCEOとしての責務の一部となる。シュルツ氏ら現経営陣は13日の投資家向け説明会で、この計画とコストについて説明する見通しだ。