ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
サンマリノってどんな国?
サンマリノは、イタリア半島中東部、ほぼ北緯44度に位置し、四方をイタリアに囲まれた小さな内陸国です。標高が高く、アドリア海を眺望することができます。
4世紀初頭、ローマ皇帝によるキリスト教徒迫害を逃れるため、マリーノという石工がこの地に立てこもり、キリスト教徒の共同体を作ったのがサンマリノの始まりとされています。
城壁に囲まれた世界最古の共和国
中世にも天然の要塞を利用し外敵の侵入を防ぎ、独立を守り続け、1631年にローマ法王から独立を認められました。
1862年にイタリアとの友好善隣条約を結び、近代国家としての主権と独立を確立しました。
経済はイタリアに大きく依存しており、通信や郵便等の運営協力を通じて同国と密接な協力関係にあります。
サンマリノはティターノ山(標高739m)の上に建設された街で、13~15世紀にかけて築かれた城壁に囲まれています。中世の雰囲気を残す街として、サンマリノの歴史地区とティターノ山は世界遺産に登録されました。
石材やワインが主要輸出品で、主な収入源は切手やコインの発行及び観光収入です。小麦やぶどうの栽培、牧畜が行われています。
1992年に国連及びIMFにも加盟し、約100カ国と外交・領事関係を有します。
サンマリノ共和国
面積:61km2 首都:サンマリノ
人口:3.4万 通貨:ユーロ
言語:イタリア語(公用語)
宗教:カトリック
隣接:イタリア
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)