ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「イタリアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

イタリアってどんな国?

 イタリアは、南ヨーロッパに位置し、地中海の中央部に突き出した長靴形の国です。フランス、スイスオーストリアスロベニア、サンマリノ、バチカンと国境を接しています。

 紀元前1~5世紀にかけて地中海沿岸地域を支配したローマ帝国は、古代ギリシャとともに、のちのヨーロッパ文化に大きな影響を与えました。

 首都ローマには優れた建築技術によって作られたコロッセオと呼ばれる円形競技場など、さまざまな建築物が現在も残り、間近で見ることができます。

 北イタリアの都市では古くから商工業が発展しました。「水の都」として知られるヴェネツィアは10世紀には地中海東部の貿易で栄え、「花の都」と呼ばれるフィレンツェでは金融や毛織物工業が発展しました。

 14世紀には、北イタリアの諸都市から人間性重視の自由で生き生きとした文化といわれるルネサンスが起こり、15~16世紀に西ヨーロッパの各国に広まりました。

 その後、イタリアでは国土の分裂が長く続きましたが、19世紀後半に統一が実現しました。

 第二次世界大戦に枢軸国側で敗北すると、1943年にムッソリーニ政権は崩壊、1946年に王制が廃止され、1948年に共和国が発足しました。

「イタリアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会イタリア半島

ヨーロッパを代表する農業大国

 イタリアは農業が盛んな国で、農業生産額はフランス、ドイツに次いでEU第3位です(2019年)

 国土が南北に細長いため北部と南部で気候が異なり、降水量の多い北部のポー川流域には肥沃な平野が広がり、水田をはじめ豊かな穀倉地帯となっています。

 一方、山がちな南部では地中海式農業が行われ、小麦のほか、生産量が世界第2位のぶどうやオリーブ、第6位のトマトなどが生産されています(2019年)

 酪農も盛んで、いろいろな種類のチーズが作られています。

経済発展で南北格差が顕在化

 経済の成長に伴い、1980年代から第三次産業が急速に拡大しました。ジェノバ・ミラノ・トリノを結ぶ北イタリアの三角地帯が工業の心臓部です。

 ジェノバはイタリア最大の港湾都市であり、トリノでは自動車工業が栄え、ミラノは国際的なファッションの中心地として、繊維・服飾産業が発展しています。

 裕福な北部は工業を中心に産業が発展し、貧しい南部では農業や軽工業が産業の中心です。そのため所得格差が大きく、この南北格差をどのように解消するかが課題となっています。

 また、ボローニャやフィレンツェを中心とした北部から中部の地域は「第三のイタリア」と呼ばれ、ブランド品のバッグなどを製造する中小の地場産業が集中し、世界に輸出されています。

 2021年2月にドラギ前欧州中央銀行総裁が首相となり、緊縮財政ではなく、経済成長による財政健全化を打ち出しました。

イタリア共和国

面積:30.1万㎢ 首都:ローマ
人口:6239.0万 通貨:ユーロ
言語:イタリア語(公用語)、ドイツ語、フランス語など
宗教:キリスト教80.8%(カトリックが圧倒的多数)
隣接:フランス、スイスオーストリアスロベニア、サンマリノ、バチカン市国

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)