ダイヤモンド決算報・夏#ビールPhoto:PIXTA

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サッポロホールディングスの「ビール」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

ビール3社とも増収も
アサヒだけコロナ前から回復

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のビール業界3社。対象期間は22年2~6月の直近四半期としている(3社とも22年4〜6月期)。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・キリンホールディングス
 増収率:10.0%(四半期の売上収益5003億円)
・アサヒグループホールディングス
 増収率:13.4%(四半期の売上収益6545億円)
・サッポロホールディングス
 増収率:9.8%(四半期の売上収益1205億円)

 ビール業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、3社ともプラスだった。しかし、コロナ前よりも好調なのは、アサヒだけだった。一体なぜか。

 次ページ以降で詳しく解説する。