コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4~6月度のビール編だ。
キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ…
コロナ前比で「薄氷の回復」に届いたのは?
ビールの主要4社が発表した4~6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯キリンビール(キリングループ)のビール類計販売数量
4月度:前年同月比96%(4%減)
5月度:同99%(1%減)
6月度:同100%(増減なし)
◯アサヒビール(アサヒグループホールディングス〈HD〉)のビール類計販売金額
4月度:前年同月比106%(6%増)
5月度:同127%(27%増)
6月度:同116%(16%増)
◯サントリー(サントリーホールディングス〈HD〉)のビール類計販売数量
4月度:前年同月比91%(9%減)
5月度:同114%(14%増)
6月度:同108%(8%増)
◯サッポロビール(サッポロHD)のビール類計販売数量
4月度:前年同月比106%(6%増)
5月度:同108%(8%増)
6月度:同106%(6%増)
*アサヒの月次業績データは数量ベースではなく「金額ベース」
22年6月において、今回取り上げる4社全てが前年実績を超えている。中でも、アサヒのビール類計販売金額は前年同月比116%(16%増)でダントツだ。
しかし、コロナ前の業績と比較した実態値を確認すると、様相はガラリと変わる。実は、22年6月の業績を比較すると、コロナ前よりも業績が下回ったままの会社が多く、上回ったのは1社のみ。それも「薄氷の業績回復」とでもいうような微増にとどまっている。
ビール4社におけるコロナ禍からの回復度合いの実態とは、どれほどなのか?