開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「塾に通っても学力が伸び悩む子」親に共通する1つの盲点Photo: Adobe Stock

マニュアル化されている大規模学習塾の指導プラン

 ひとりっ子は大人の言うことをよく聞くので、ときに「型」にはまりがちです。

 本来ひとりっ子は、個性的で特別な能力を持っているのですが、マニュアル化された世界に入れてしまうと型にはまり、そのいい面が損なわれてしまいます。

 たとえば、大規模な学習塾では、たくさんの生徒を育てなければならないため、多くの子に合うような指導をします。最近は塾のカリキュラムが非常に良くできていて、昔以上にマニュアル化が進んでいます。

 デコボコしたひとりっ子をそのベルトコンベアに乗せているうちに、型に合わせてデコボコが取れてしまうことがあるのです。

 その結果、これまで成績が良かった教科がなんだか伸びなくなり、苦手だった教科はみんなについていけずにさらにわからなくなる、ということが起こり得ます。

子どもによって、最適な学習スタイルは異なる

 もちろん、大規模な塾では、多くの子どもたちと競争できるという利点もあります。それに、中学受験といった目標を立て、計画を練るときに、学習塾の活用は欠かせません。

 ですので、塾に行くこと自体はいいのですが、その選び方や活用の仕方については、親がよく見極めていかねばなりません。塾に入れただけで安心せずに、子どもの個性を大切にケアしてあげましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)