「“勉強しなさい!”と叱らないと、始めないんです…」という相談をよく受けます。毎日「勉強しなさい!」と怒っていては、親も疲れてしまいますよね。子どもだって叱られてうれしくはないでしょう。しかし「ある工夫」をするだけで、子どもの勉強への関心は、ぐんと伸びます。今回は「自分から勉強する子の育て方」について、5000人以上のバイリンガルを育ててきた経験から解説します。(TLC for Kids代表 船津 徹)
「勉強しなさい!」「宿題しなさい!」と毎日怒鳴るのは親にとっても子どもにとっても楽しいことではありません。
親からうるさく言われなくても「自分で勉強する子」に育てるには、まず、自分の力で学習を推進していく土台である「読書力」をつけてあげることが大切です。
「読書量の減少」が子どもの読解力を下げている
自分で勉強できる子には「読書力」が身についています。活字に対する抵抗感が少なく、自主的な意欲で教科書や問題集に向き合うことができ、書かれている内容を読み解く力が育っています。だから人の助けを借りることなく、自学自習で学力を積み上げていくことができるのです。
「そんなのは当たり前だ」と思うかもしれません。しかし、2018年にOECDが行った国際学習到達度調査(PISA)によると、日本の子どもの「読解力」は15位と、前回調査時の8位から大幅に下がっていることが分かっているのです。
なぜ日本の子どもの読解力が下がっているのか?私は、その大きな一因は「初歩の読書教育の欠如」ではないかと考えています。
ここで、「それなら、とにかく本を読ませよう!」と思った方は要注意です。「読みなさい!」と言われて受動的にこなすのは遠回りです。それに、本の選び方や本の読ませ方次第では、子どもは「読書嫌い」になりかねませんので親の工夫が欠かせません。
次ページでは、読書好きな子も読書嫌いな子も簡単に実践できる「本の選び方」と、私が塾を経営する中で実感した、「自分で勉強する子」の親がやっている意外なことをお伝えします。