NISAPhoto:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

 政府が年末の策定を目指している「資産所得倍増プラン」に向けて、金融庁は8月31日にNISAの抜本的拡充案を公表した。金融庁案は、現在「一般・つみたて・ジュニア」と三つに分かれているNISAをつみたてNISAに一本化し、非課税保有期間を無期限化、制度実施期間を恒久化するというもの。恒久化・無期限化は足元の税収を減少させるわけではないため、容認される可能性が高そうだ。今後は、年間・累計の非課税枠の水準が主な論点になるだろう。

新NISAを白紙撤回、
抜本的拡充へかじ切り

 岸田文雄首相は22年5月にロンドンで行った講演で、NISAの抜本的拡充を含む「資産所得倍増プラン」を策定すると打ち上げた。貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に推し進めるとし、「インベスト・イン・キシダ」と海外の投資家に日本への投資を呼び掛けた。

 この考えは翌6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」や「経済財政運営と改革の基本方針2022」にも反映された。政府は年末に「資産所得倍増プラン」を策定すべく動き出しており、8月31日に公表された金融庁の税制改正要望はその具体案に当たる。