――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト
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米国の外交政策に関わるエリートたちにとって、過去1週間は忙しい期間だった。ナンシー・ペロシ米下院議長は、アルメニアを訪問し、同国とアゼルバイジャンの武力衝突による被害に同情を示した。この衝突では、領有権争いが続く国境地帯で推計約200人の死者が出ている。ジョー・バイデン米大統領は、エリザベス女王の葬儀に参列するためのロンドン訪問を前に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、ウクライナで核兵器を使用すべきではないと警告し、中国に対しては、台湾に侵攻すれば米国が台湾を防衛するとの考えを再度表明した。
しかし、この週の最大のニュースは米国発のものではなかった。それは伝説の多いシルクロード上の都市、ウズベキスタンのサマルカンドからもたらされた。サマルカンドでは、上海協力機構(SCO)加盟8カ国の年次首脳会議が開かれた。