パウエルFRB議長Photo:Drew Angerer/gettyimages

 米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が迫っていた8月、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待から、株式市場は大きく上昇していた。

 FRB内では、インフレ退治には景気を冷やす必要があるにもかかわらず、市場がFRBの意図を取り違えているとの懸念が広がった。こうした中、ジェローム・パウエル議長は、世界が注目するジャクソンホール会議で単刀直入に語る決意を固めた。パウエル氏と話した関係者2人が明らかにした。当初用意していた原稿は破棄し、異例の短い講演にシンプルなメッセージを込めた。インフレ退治のためなら、FRBはリセッション(景気後退)という代償も受け入れる――。