コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなどの「半導体関連」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
半導体5社好調
レーザーテックは売上高倍増
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の半導体関連業界5社。対象期間は22年2~6月の四半期(5社の対象期間は22年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・東京エレクトロン
増収率:4.8%(四半期の売上高4737億円)
・ルネサスエレクトロニクス
増収率:72.7%(四半期の売上収益3762億円)
・アドバンテスト
増収率:40.0%(四半期の売上高1359億円)
・レーザーテック
増収率: 101.1%(四半期の売上高368億円)
・ディスコ
増収率:23.7%(四半期の売上高597億円)
5社全てが、前年同期比で増収を記録していて、東京エレクトロンをのぞく4社は2桁の増収率だった。中でも圧倒的な増収を記録したのがレーザーテックで、前年同期の2倍となった。
世界的な半導体不足の影響で半導体関連メーカーは好調が続いてはいるが、レーザーテックがこれほど伸びたのはなぜか。
次ページ以降では、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、レーザーテックの増収率が跳ね上がった要因を解説する。