コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の自動車編だ。
トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ…
「半導体クライシス」続行で販売大低迷の実態
自動車の主要5社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯トヨタ(トヨタ自動車)のトヨタ国内販売台数
4月度:前年同月比83.2%(16.8%減)
5月度:同79.1%(20.9%減)
6月度:同74.4%(25.6%減)
◯ホンダ(本田技研工業)の国内自動車販売台数
4月度:前年同月比78.3%(21.7%減)
5月度:同79.3%(20.7%減)
6月度:同101.6%(1.6%増)
◯日産(日産自動車)の国内販売台数
4月度:前年同月比98.8%(1.2%減)
5月度:同90.5%(9.5%減)
6月度:同109.7%(9.7%増)
◯スズキの国内販売台数
4月度:前年同月比78.4%(21.6%減)
5月度:同87.5%(12.5%減)
6月度:同120.4%(20.4%増)
◯マツダの国内販売台数
4月度:前年同月比84.3%(15.7%減)
5月度:同63.3%(36.7%減)
6月度:同121.4%(21.4%増)
まず目に付くのがトヨタの大不振だが、実は数字の見た目よりもさらに厳しいのが実態だ。過去2年分のデータを見ると、それが浮き彫りとなる。新型コロナウイルス禍の初期から続いている半導体不足による危機が続行中であり、いまだに大打撃を受けているのだ。
トヨタ以外の4社は6月度に前年を上回る実績を上げており、半導体クライシスから先に脱却したようにも見える。しかし、実態はトヨタと同様に販売大低迷にあえいでいる。
日本経済の屋台骨である自動車産業のダメージはどれほどのものなのか。次ページで詳しく解説しよう。