ブリヂストン、豊田自動織機が2割超の増収、「自動車減産ショック」でも強い訳Photo:PIXTA

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はデンソーやブリヂストンなどの「自動車部品/産業車両」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

5社全てが増収
ブリヂストン・豊田自動織機は2割超

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車部品/産業車両業界5社。対象期間は2022年2~6月の四半期(5社いずれも22年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・デンソー
 増収率:4.3%(四半期の売上収益1兆4150億円)
・ブリヂストン
 増収率:27.1%(四半期の売上収益9953億円)
・豊田自動織機
 増収率:23.1%(四半期の売上高7596億円)
・住友電気工業
 増収率:11.4%(四半期の売上高8771億円)
・アイシン
 増収率:2.1%(四半期の売上収益9979億円)

 自動車部品/産業車両業界の主要5社では、全社が前年同期比で増収となった。中国のロックダウン(都市封鎖)や半導体不足などの影響で、自動車の減産傾向が続いているが、ブリヂストンは3割に迫る増収率だった。その要因は何か。

 次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに、直近四半期の業績について詳しく解説する。