事業再構築補助金を活用し
Webサイトを構築

業者同士が余剰資材をサイト上で取引 建材ロス&廃棄コストの削減を目指す2018年に新社屋工場を建設。同社の倉庫内にもさまざまな余剰資材が眠る

 サイト構築の資金は、巣鴨信用金庫の助言、サポートを受け、国の「事業再構築補助金」を申請し、これを活用。倉庫に眠る「のこった」「こまった」在庫が、誰かにとって「よかった」資材になるというキャッチフレーズの下、22年5月、力士をキャラクターにデザインもユニークなサイト「ノコッタ」が誕生する。

 利用方法は会員登録をした各事業者が自社アカウント上で、余剰資材の情報を写真付きで公開。業者間で直接情報交換し、資材のやりとりを行うもの。対価については直接交渉形式で、無償での譲渡も可能となる。

業者同士が余剰資材をサイト上で取引 建材ロス&廃棄コストの削減を目指すチラシやノベルティーグッズなども作成し、広くサイトの認知度向上を目指す
●有限会社八塩板金工業 事業内容/板金加工取付工事、従業員数/10人、売上高/2億5000万円(2021年度)、所在地/埼玉県朝霞市浜崎4-12-9、電話/048-487-1818、URL/y-b-k.comnokotta.com/sv

 登録料や利用料は無料で、同社では希望者に対して資材の保管や配送サービスも行うという。貴重な資材を、罪悪感を覚えながら廃棄するようなケースをなくし、資材の有効活用を進めるとともに、「原材料費や物流コストも増大している今、余剰資材の保管や廃棄を請負業者が一手に引き受けざるを得ない業界の慣習に一石を投じることにもつながればと考えています」と語る。プロ同士のやりとりに限定するためトラブルが発生しにくく、仕事の情報交換や新たなつながりへの発展が期待できるのもメリットだ。

「まずは気軽に登録、使っていただき、同じ思いを抱えている仲間とモッタイナイを減らしていきたいですね」と八塩氏。SDGsへの取り組みが加速化する中、参加型で小さな会社でも気軽に社会貢献ができるケースとしても注目したい。

(「しんきん経営情報」2022年10月号掲載、協力/巣鴨信用金庫