業者同士が余剰資材をサイト上で取引 建材ロス&廃棄コストの削減を目指す

建築資材が現場で余り、結果、未使用のまま廃棄されてしまう――ごみ・廃棄物の削減・再利用が叫ばれる時代にあって、見落とされてきた「建材ロス」解決に向けた新サービスが注目を集めている。余剰資材活用ポータルサイト「ノコッタ」。提供するのは建築現場での金属系外装専門工事を請け負う八塩板金工業だ。(取材・文/大沢玲子)

業者同士が余剰資材をサイト上で取引 建材ロス&廃棄コストの削減を目指す代表取締役・八塩雄一氏

 同社は1972年創業。「マンションや店舗、住宅などの一般建築物から工場や倉庫、駅や図書館、学校といった大規模な公共施設まであらゆるジャンルの建物の屋根・外壁の施工・修繕やステンレス・銅板の加工製作、修理などを幅広く手がけてきました」。84年より代表取締役を担う八塩雄一氏はそう語る。

 順調に事業を拡大し、2018年には埼玉県朝霞市に念願だった新社屋工場を竣工。長男への事業承継も見据えたところで、40年以上建設業に携わる中で、業界全体の課題であり、自身の悩みでもあった建築資材のロスに着目する。

余分に資材を注文する
業界の慣習に問題提起

業者同士が余剰資材をサイト上で取引 建材ロス&廃棄コストの削減を目指すプロの業者同士が、サイト上で余剰資材の融通を実現する会員制サイト「ノコッタ」。力士のキャラクターが印象的だ

「工事現場では、作業ミスや仕様の変更、万一の材料不足などの事態に備え、建築資材を必要量より多く発注するのが慣例ですが、結果、余剰資材を抱えてしまうケースが多々あります」と八塩氏。

 リサイクルがしやすく汎用性のある木材や金属などであればいいが、同社のような板金業者が扱う資材の多くは鉄や断熱材、プラスチック素材など複数の素材から構成される建材が大半。返品ができないケースもよくある。いつか使えるかもと思って倉庫に保管しても、使える現場がなく、結局、コストをかけて廃棄処分を迫られるケースも多い。

「建設請負業者の共通の悩みであり、不法投棄などの社会問題にもつながる深刻な課題ながら、業界として前向きに余剰資材の問題に向き合う動きが出てこないのが現状でした」(八塩氏)

 そこで八塩氏が考えたのが、廃棄コストや在庫保管に悩んでいる会社と、一方、仕入れコストの削減や、調達が難しい資材の確保に困っている会社をマッチングする仕組み。「ネット上で不用品や中古品をやりとりしたり、リサイクルしたりするCtoCの既存サービスをヒントに、プロの業者同士が資材をやりとりするサイトを考案しました」(八塩氏)。