なぜバカは「全能感」に浸るのか?ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

僕は「専門家」ではありません

 あらかじめ僕は、「間違ったことを言いますよ」「鵜呑みにしちゃいけませんよ」と、繰り返し言うようにしています。

 しかし、それが伝わっていない人が多く現れてしまっています。

 僕を専門家扱いして、「ひろゆきが言っていたんだから間違いない」と、エビデンスのように使われると、かなりマズいですよね。

 そこで、僕のポジションの取り方について語っておきましょう。

「バカの山」とは何か?

「ダニング=クルーガー効果」を知っているでしょうか。

 どんな分野でも、少し調べると、「わかった」という瞬間がおとずれます。ウィキペディアを読んだり、わかりやすい入門書を読んだときのように、すべてを知った気になれます。

 このとき、人は「全能感」に浸ります。

 しかし、それは最初の入口にすぎず、そこから先に果てしなく深い専門的な領域が広がっていきます。

 その線の形は、「バカの山」→「絶望の谷」→「啓蒙の坂」→「継続の大地」を描きます。

 この曲線に沿って1つの分野を極めていくのが、大学教授や研究者のような仕事でしょう。

「素人」であることを自覚する

 僕のスタンスは、あらゆる分野の知識について、広く浅く知っておくことです。

 それにより、各分野に「素人目線」の意見を言えるようになると思っています。

 あらゆる分野の「バカの山」の上にいるようなものかもしれません。だから、僕は素人の代表です。

 ただし、「素人だから間違える」ということも自覚しています。

 人として「修正機能」を持たなくなってしまうのは恐ろしいと思います。

「絶望の谷」があることを知らない状態で慢心してしまうと、自分を過大評価してしまいますよね。

 そうやって「裸の王様」は完成してしまうんです。

 というように、バカであることから脱するには、「バイアス」から逃れなくてはいけません。バイアスの詳しい取り除き方は、『99%はバイアス』という本に書きましたので、ぜひチェックしてみてください。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『99%はバイアス』『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。