今回は、「メモ」をどこに書き、整理、保管すればいいか、についてお伝えします。
レコード会社の社員時代はプロデューサーとして、ミリオンヒットを10回記録するなどトレンドを牽引し、絶調期にニュージーランドに移住。その後、12年かけてリモートワーク術を構築してきた四角大輔氏。彼のベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』は、次世代のミニマリストのバイブルにもなった。
この連載では、四角氏のあたらしい著書『超ミニマル主義』の中から、「仕事術」「ワークスペース」「働き方」「スケジュールとタスク」「デバイスと情報」「思考と習慣」……etc を「手放し、効率化し、超集中する」ための【全技法】を紹介していきます。

結果を出せる人は<br />「メモ」を意外な場所に書いているPhoto: Adobe Stock

カレンダーを記録用メモにする

 メモを、何に書き、整理し、保管するか。

 皆さん、色々試行錯誤されていることと思う。

 今回は、メモを書く、おすすめの場所として「カレンダー」を紹介する。

「ひらめき」も、カレンダーに「メモ」をする

 例えば、「◯部会議」や「◯さんとのミーティング」という予定のカレンダーメモ欄には、そこで話すべき議題を入れておき、会議中の議事録メモはそこに書き込む。

 その予定に関連する情報はすべて、カレンダーのメモ欄に集約することで、仕事で生じがちな「漏れ」を減らせる。

 初対面の相手が「キーパーソン」の場合、ミーティング中にPCを開いて議事録を録りながら、その方の「人物メモ」を入れておくといい。名刺をデータ化した後、名刺管理アプリのメモにコピペしよう。

 さらに、会議やミーティングの議題とは無関係の「ひらめき」も、そのカレンダーに記入しておく。筆者は、後で見分けがつくようそのひらめきには「★」人物メモには「○」を入れている。

検索時にヒットするよう、予定タイトルやメモ欄に、相手の名前や案件を正しく入れておく

 後で、それを「メモアプリ」の適切なフォルダにコピペしたり、その発想を元に作成する「企画書タスク」のカレンダーのメモ欄に直接入れてしまう。

 忘れないよう、ミーティング中に「★や○マーク」の部分だけを自分にメールすることもある。

 メモをカレンダーに書き込む際の注意点は、検索時にヒットするよう、予定タイトルやメモ欄に、相手の名前や案件を正しく入れておくこと。

 万が一、検索ワードにヒットしなくても、予定を振り返りながら記憶を遡ることで、簡単に見つけられる。

メモを通して自身の奥深くにアプローチして
「内観を繰り返していた」

 筆者はカレンダーで、スケジュール管理だけでなくタスク管理も行っているが、さらに記録用のメモ帳として活用することで、仕事にまつわる多くのことが「カレンダーを見ればわかる」ようになると、業務フローのワンストップ化が進む。

 その結果、日々何度も繰り返す作業工程をミニマル化でき、さらなる効率化、そして時短が実現する。

 メモ魔となった原点は「記憶力の弱さ」という、自分の弱点を補うことにあった。

 メモった瞬間から心が解放され、「今を生きること」に集中できる快感を知ってからは、習慣になっていった。

 ここでふと気付いたことがある。メモを通して自身の奥深くにアプローチして「内観を繰り返していたこと」に。そして、ちょっとしたメモが、人生を決定付けたことが幾度もあったことに。

 メモの習慣がなかった方は、ここに書いたことをヒントに、自分なりのメモ術を見つけよう。そして、生き方を決めることになる「ひと手間」を惜しまない心構えをもってほしい。

『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

(本原稿は、四角大輔著『超ミニマル主義』から一部抜粋したものです)

結果を出せる人は<br />「メモ」を意外な場所に書いている四角大輔(よすみ・だいすけ)
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。