「手放し、効率化し、超集中」するための全技法とは!?
レコード会社時代はヒットメーカーとして、ミリオンヒットを10回記録するなどトレンドの最先端を疾走。音楽プロデューサーとして絶好調の39歳の時に退社して、ニュージーランドに移住。現地の湖畔で、環境負荷を最小限に抑える自給自足ライフを営みながら、世界を旅しながら働く移動生活を送り、グローバルノマドの第一人者と称される四角大輔氏。
この連載では、四角氏のあたらしい著書『超ミニマル主義』の中から、「サイフ」「カバン」「書類」「名刺」「ウェア」「シューズ」「仕事机」「デバイス」「部屋」といった物質、「情報」「データ」「スケジュール」「タスク」「労働時間」「ストレス」「人付き合い」といった非物質を、極限まで「最小・最軽量化」する方法を紹介していきます。自分の可能性を「最大限=マックス」に引き出す方法と、持続的な成果を出し続けてサステナブルに働くための技術も公開いたします。
自分の可能性を「最大限=マックス」に引き出す方法
ミニマル主義の真価を悟った、今なら伝えられる。
手放して身軽になり、「最小限=ミニマル」を極めることで、自分の可能性を「最大限=マックス」に引き出す方法を。
至高の生産性で究極の時短を実現し、上質な成果を出し続けて、持続可能な働き方をもたらす「超集中&効率化」術を。
仕事を愛し、暮らしを整えることでパフォーマンスを極限まで高め、「働く喜びと人生の幸福度」を向上させる流儀を。
50代となったぼくは今、自身の「30歳=会社員時代に最も苦悩した1年」と、「40歳=最も不安定だったフリーランス1年目」を思い出しながらこの原稿を書いている。
―いや、原稿というよりは手紙に近いかもしれない。
タイムスリップして、当時の自分に手渡したい「楽に生きるための仕事の秘伝書」と言ってもいいだろう―。
「疲労と寝不足で体は重く、焦りと不安で心も重い」
「いくら働いても成果は出ず、私生活も暮らしもぐちゃぐちゃ」
もし、そう思っているならこの本をめくってみてほしい。
「タスクやスケジュールに追われ、やりたいことができない」
「やらされ仕事じゃなく、大好きだと思える仕事に挑戦したい」
さらにこう感じているなら、最後まで読んでもらいたいんだ。
告白しよう。
実は、ぼくが30歳の時、まさにそういう状態だった。
20代、空気も読めずもの覚えも悪い、最低評価の営業マンとして会社員デビュー。先輩や上司から嫌われ、部署内で孤立。
小学生から苦しんだチック症と極度の赤面症を、大学でやっと克服したのに、再発。鏡の前で、笑顔とあいさつの練習をしないと会社に行けなかった―まさに消し去りたい過去だ。
歯をくいしばって経験を積めば、成果を出せるようになる「かも」しれない。でもそれは、間違いなく遠い未来の話。
絶望しながら、「20代は捨て」だと腹をくくる。
「やる気はあるのはわかる。だが、優先順位は間違えるし、人付き合いはダメ。タスク管理もスケジューリングも甘い」
そう酷評されたまま、30歳で出世コースを外れる。
「キャリアで失うものは何もない」。そう思えた瞬間、気が楽になった。仕事の優先順位を下げ、忙しくて満足にやれなかった「一番好きなこと=ある本気の遊び」に再び夢中になった。
ずっと抱えていた疲労感と、常にボーッとしていた頭がスッキリしていく。さらにその「遊び」のおかげで、忘れていた大切な信条―身軽さを求めるミニマル思考―を取り戻せたのだ。
背負ってるもので、何が一番重い?
まず、「背負ってるもので、何が一番重い?」と自分に問いかけた。30代も何も成し遂げられないだろう。「そうだよな……」と、“自分への期待”という最大の重荷を手放した。
さらに、嫌われたくない病、お付き合い飲み会、長時間労働、気合や根性、他人の目―いらないと思った“荷物”を一つずつ捨てるたび、軽く自由になっていく。そして驚くことになる。
心身と人間関係が楽になり、仕事が楽しくなっていく快感に。
迷いがなくなり、最も大事なことに集中できるパワーに。
よく寝て休み、よく遊ぶ方が創造性が向上する事実に。
業務やタスクを2~4倍速く処理できる奇跡に。
30代途中から、羽が生えたように仕事の生産性が高まり、会社員としては破格の結果を出せるようになった。
そして30代最後、仕事の絶頂期だった2009年に退社。すべてを手放してニュージーランドに移住し、仕事の9割をリモート&在宅で行うフリーランスに転身して、いよいよ40代に突入。
友人も家族もいない異国の地で―まだ“ノマド”なんて言葉がなかった時代に―組織、場所、時間、お金に縛られないワークスタイルに挑み、年収がいきなり1/10に激減。
それでも、少しずつ仕事が舞い込むようになり―会社員の絶頂期に記録した―最高年収を、40代最後に意図せず更新。
その時、3年ほど異常に忙しかったことに気付き、お金の代わりに失った時間を取り戻すべく―ミニマル主義の理念に従い―仕事の大半(=収入の約半分)を自ら手放した。
その後、本書で説く「超時短術」を実践し、仕事を増やさず、自由時間は削らずに所得増を実現。さらに第一子誕生を機に、育児中心の働き方を設計し、『超ミニマル主義』仕事術が完成した。