「手放し、効率化し、超集中」するための全技法とは!?
レコード会社時代はヒットメーカーとして、ミリオンヒットを10回記録するなどトレンドの最先端を疾走。音楽プロデューサーとして絶好調の39歳の時に退社して、ニュージーランドに移住。現地の湖畔で、環境負荷を最小限に抑える自給自足ライフを営みながら、世界を旅しながら働く移動生活を送り、グローバルノマドの第一人者と称される四角大輔氏。
彼のベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』は、次世代のミニマリストのバイブルにもなった。
この連載では、四角氏のあたらしい著書『超ミニマル主義』の中から、「サイフ」「カバン」「書類」「名刺」「ウェア」「シューズ」「仕事机」「デバイス」「部屋」といった物質、「情報」「データ」「スケジュール」「タスク」「労働時間」「ストレス」「人付き合い」といった非物質を、極限まで「最小・最軽量化」する方法を紹介していきます。自分の可能性を「最大限=マックス」に引き出す方法と、持続的な成果を出し続けてサステナブルに働くための技術も公開いたします。

なぜ「ミニマル化」は「サイフ」から始めたほうがいいと断言できるのか?Photo: Adobe Stock

ミニマル化は、最小単位からはじめる

 ミニマル化は、最小単位からはじめるのが最も簡単だ。

 そして、「小さなこと」で妥協してしまうと、このあと続々と紹介していく「大きな荷物」の軽量化は不可能となる。

 第一歩として、一番わかりやすいサイフと向き合ってもらう。

愛用のサイフは、わずか5g

 まず、愛用のサイフの重さを量ってみよう。

 筆者の場合は極端だ。デニムの前ポケットに入れても邪魔にならないサイズというのが、サイフを選ぶ基準。

 10年以上使っているのが、Urban Ultralight®「バタフライウォレット」。

 わずか5gと、100円玉1枚と同じという軽さで、調べる限りこの形状のサイフとしては世界最軽量。

なぜ「ミニマル化」は「サイフ」から始めたほうがいいと断言できるのか?カード収納部が3つあり、筆者は左にクレジットカード1枚、真ん中に電子マネー「iD」カードと自分の名刺3枚、右に免許証を入れている。カード3枚×3ポケットで計9枚収納可能

領収書を受け取る手間を最小化する

 こちらの写真を見てもらえばわかるが、これは紙幣と領収書を折らずにサッと収納できる。

 会社員にとって領収書は、経費精算で必要だから見逃せないポイントだ。

 フリーランスが、確定申告で必要な紙の領収書は、「現金払い」のみ。

「カード/電子マネー払い」は領収書は不要で、その際に渡される「カード控え」は、会社員・フリーランス共に、経費精算でも、確定申告でも不要なので受け取らなくていい。

スマホ装着式で秀逸なモデルが登場

 大学生まで使っていた「マネークリップ」や、「紙幣を三つ折りで収納する極小サイフ」「スマホ装着式ウォレット」はミニマルで美しいが、会社員にとっては「領収書を入れづらい」という難点があった。

 ただ最近、スマホ装着式で秀逸なモデルが登場している。次世代ミニマリストしぶ氏開発の「手ぶら財布」だ。

なぜ「ミニマル化」は「サイフ」から始めたほうがいいと断言できるのか?スマホ装着式ウォレットは多数があるが、大半がカードしか入らない。「手ぶら財布」は、カード、紙幣、領収書、鍵に加え、小銭も収納可とさすがの仕様。リサイクルレザー使用。33g

 別途、領収書専用ポーチを持ち歩く方法もあるが、非効率なので却下。「面倒を最小限にすること」も、このミニマル仕事術においては重要な考え方なので覚えておいてほしい。

「数秒の妥協」が気付かぬうちに取り返しのつかないロスにつながる

 わずか数秒の手間とは言え、何度も繰り返す動作だけに、累積すると1日で数分を、1週間で数十分を無駄にする。

 この時間があれば、2~3の小タスクを終わらせることができる。さらに1ヵ月、1年、と考えれば誰もがその重大さに気付くはず。

 荷物は「グラム単位」で精査すべきだが、時間においても「秒単位」で意識しよう。

「数グラムの妥協」の積み重ねが大荷物につながるように、「数秒の妥協」が気付かぬうちに取り返しのつかないロスにつながるからだ。

『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

(本原稿は、四角大輔著『超ミニマル主義』から一部抜粋したものです)

なぜ「ミニマル化」は「サイフ」から始めたほうがいいと断言できるのか?四角大輔(よすみ・だいすけ)
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。