2011年3月の東日本大震災で発生した震災がれきを、全国各地で受け入れて処理する、いわゆる震災がれきの「広域処理」。現在大阪市が計画している「広域処理」に対して反対運動が続いているが、そうした反対派の逮捕が相次いでいる。2012年12月には関西の広域処理反対運動のリーダー的な存在である阪南大学の下地真樹准教授ら3人が逮捕された。下地氏ら2人は20日の拘留後、釈放されたが1人は起訴された。がれき広域処理の反対運動に対する弾圧との指摘もある一連の警察介入の真相に迫るとともに、今年2月にも震災がれきの受け入れを本格実施するともいわれる大阪市の状況を報告する。
逮捕時から疑問も
〈重要! 今朝、もじもじ先生こと下地さんが逮捕されました〉
12月9日午後12時50分に簡易投稿サイト「ツイッター」で発信されたつぶやき(ツイート)がインターネット網を駆け巡った。
これが「モジモジ先生」の愛称で知られる、阪南大学経済学部の下地真樹准教授の逮捕を伝える最初の情報だったとみられる。筆者がそれを目にしたのはその日の夜になってからで、関連したツイートをまとめた、いわゆる「まとめサイト」がつくられた後のことだ。冒頭のツイートとあわせて「まとめサイト」のウェブページのアドレスが送られてきており、そこには逮捕の一報を伝える新聞記事へのリンクも張られていた。
リンク先の〈「がれき反対」無許可デモで大阪駅業務妨害 阪南大准教授ら逮捕〉との見出しの産経新聞記事は次のように報じている。
〈東日本大震災で発生したがれきの受け入れに抗議するデモ行進をJR大阪駅構内で無断で行い、駅側の警告に応じなかったとして、大阪府警警備部などは9日、威力業務妨害と不退去の容疑で、阪南大准教授の下地真樹容疑者(40)=大阪市西区新町=ら2人を逮捕した〉
大阪府警の発表のみを情報源としたこの記事には、下地准教授らが大阪駅の〈構内を約250メートルにわたり行進した〉〈10月17日午後2時40分ごろから約1時間半にわたり、JR大阪駅(大阪市北区)で「がれき反対」とシュプレヒコールを上げながら練り歩いたり、ビラを配布したりして駅側の業務を妨害した〉とも書かれていた。