佐川Photo:Diamond

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本郵政、SGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

日本郵政は前年同期比減収
ヤマト、佐川急便は増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界3社。対象期間は2022年2~6月の四半期(3社はいずれも22年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・日本郵政
 増収率:マイナス5.1%(四半期の経常収益2兆7182億円)
・SGホールディングス(佐川急便)
 増収率:11.3%(四半期の営業収益3869億円)
・ヤマトホールディングス
 増収率:1.0%(四半期の営業収益4242億円)

※日本郵政とSGホールディングスは会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の経常収益・営業収益と増収率には同変更を遡及適用していない。

 物流業界の主要3社では、SGホールディングス(佐川急便)、ヤマトホールディングスは増収となったが、日本郵政は減収となった。

 日本郵政は3四半期連続でマイナスの増収率だが、その要因は何か。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、日本郵政の業績について詳しく解説する。