【テヘラン】髪を覆うスカーフ(ヒジャブ)着用を巡る問題が引き金となり3週間にわたりイランを揺らしている抗議デモは、崩壊しつつある経済下で苦しむ中間層の怒りを巻き込み、一段と大きな運動へと発展してきた。
今回のデモは、ヒジャブで頭髪を十分に隠していなかったとして、イランの風紀警察に拘束された女性マーサ・アミニさん(22)が9月16日に死亡したことが発端だ。イラン都市部の中間層が中心となって複数の都市でデモを繰り広げている。口コミで組織されソーシャルメディアで情報を拡散するデモ隊の要求は、女性の権利向上を求める運動から、イラン社会の隅々まで支配するイスラム教統治の廃止を求める運動へと急速に様変わりしている。