金融大手もSNSの餌食に、駆け巡った経営不安説Photo:Dan Kitwood/gettyimages

 スイス銀行大手クレディ・スイスが足元、ネット上で標的にされている。その結果、株価が乱高下し、同行が経営破たんに向かいつつあるとの不安も広がった。

 こうした憶測が猛スピードで駆け巡ったことは、ネットのフォーラムが金融市場にいかに大きな影響を与えうるか、クレディ・スイスと投資家の双方にとって改めて思い知らされた出来事だろう。約2年前、個人投資家がSNS(交流サイト)などソーシャルメディアで結託し、ゲームソフト小売り大手ゲームストップ株を暴騰させたことはなお記憶に新しい。

「ミーム(はやりネタ)」銘柄を愛する投資家は、業績不振の小売りや映画チェーン企業に対しては熱いエールを送るものの、伝統的な金融機関には冷淡だ。クレディ・スイスに関する話題は否定的なコメントがほとんどで、「デビット・スイス」とも呼ばれる同行をからかう論調が目立つ。