原油相場はロシアのウクライナ侵攻前の水準を下回っている。徐々に増産を進めてきたOPEC(石油輸出国機構)プラスも減産に転じた。しかし、今後も原油価格の上値は重そうだ。その背景を探る。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
ロシアのウクライナ侵攻前の
水準を下回る原油相場
原油相場は、一進一退ながらやや弱含みの推移となっている。9月下旬には、米国産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が一時1バレル当たり76ドル台、欧州北海産のブレントが一時83ドル台まで下落した。
ともにロシアによるウクライナ侵攻以前の相場水準をすでに下回っており、WTIは1月上旬以来、ブレントは1月中旬以来の安値となっている。
OPEC(石油輸出国機構)プラスは10月から減産する決定をした。にもかかわらず原油相場が低迷するのはなぜか。次ページからその背景を探っていく。