ロシアとの戦争開始から8カ月が経過した現在、ウクライナは古典的な軍事作戦と戦場での臨機応変な意思決定を組み合わせてロシア軍の無能さに付け入るという新たな戦略を取っており、これにより戦局が変わりつつある。  ウクライナの指揮系統は下級将校による戦場での即断即決を奨励している。将校らはこの権限を活用し、機会を見いだしては敵軍の弱点を素早く突いてきた。  これとは対照的に、ロシア軍には旧ソ連時代の意思決定の仕組みが足かせとなってきた。この方式では、命令はモスクワからの指揮系統に従って伝わり、前線の部隊が主導権を握ることはほとんどない。