今年の年末商戦は小売業にとって厳しいものになりそうだ。問題は、それが投資家の予想ほど深刻かどうかだ。米商務省が14日発表した9月の小売売上高は前月から横ばいだった。インフレで調整すると減少だ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想は、季節調整済みで0.3%増だった。不振だった品目は多岐にわたり、自動車、家具、建築資材、電子機器・家電などの売り上げが減少した。一方、百貨店や衣料品、外食は伸びた。消費パターンが新型コロナウイルス流行前に戻る傾向が続いていることがうかがえる。不振の一因はおそらく、先月フロリダ州とサウスカロライナ州を襲ったハリケーン「イアン」だろう。もしそうなら10月は上向く可能性があり、中でも修繕需要で工具店などは売り上げ増が期待できる。ただ、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のエコノミストは、不振は雨のせいばかりではないと指摘する。クレジットカードやデビットカードの数字を見ると、米国全域で支出が控えめだったためだ。