米国の多くの州で中間選挙の期日前投票が始まる中、上下両院の議会選で共和党の勢いが増している。背景にあるのは、同党陣営による選挙広告の集中投入と高インフレを巡る有権者の根強い懸念だ。議会選で民主党と共和党のどちらを支持するかとの調査では、民主党のリードは約2ポイントとなっており、9月下旬から半分以上縮まった。選挙予測で定評のある米ウェブサイト「ファイブサーティーエイト」が各世論調査から平均値を算出した。上院選における民主党のリードは多くの州で縮まり、ウィスコンシン、ネバダ両州では、これまで優位にあった民主候補が一転して劣勢に立たされた。上下両院とも接戦となっている。夏から初秋にかけて民主党には明るいニュースが相次いだほか、連邦最高裁判所が人工妊娠中絶に関する憲法上の権利を認めた判決を6月に覆したことで、民主党支持者の投票意欲が高まっていた。ところが足元では、与党が不利になりやすいという、従来の中間選挙の傾向が強まっているもようだ。