ベッドで頭を抱え体調不良を訴える男性写真はイメージです Photo:PIXTA

心臓を守るために大切なのは、運動や食事だけではない。実は、睡眠の質や朝の過ごし方も、心筋梗塞や心不全などのリスクを左右する重要な要素だ。なかでも朝は、血圧や心拍数が急上昇し、心筋梗塞が起こりやすい「魔の時間帯」とされている。心臓に負担をかけない睡眠習慣や、危険な朝を乗り切るためのポイントを紹介する。※本稿は、山形県立保健医療大学理事長・学長の上月正博『100歳まで元気な心臓の育て方100』(宝島社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

睡眠の質を左右する
「寝る前の3時間」

 心臓の元気を保つために欠かせないのが「質の高い睡眠」です。睡眠不足が続くと、交感神経が優位な状態が続いて血圧や脈拍が上がり、心臓に過度な負担がかかってしまいます。

 睡眠において大切なのは、単に「何時間寝るか」だけではありません。眠りについてからの最初の数時間で、どれだけ深く「ぐっすり」眠れるかという睡眠の質が、心臓の回復力を左右します。

 その質を決定づけるのが、就寝前の3時間の過ごし方です。私たちの体は、夕方から夜にかけてリラックスモードの副交感神経が優位な状態へと切り替わりますが、この切り替えをスムーズにするための工夫が必要です。

 まず、夕食は就寝の3時間前までに済ませましょう。寝る直前に食事をとると、体が消化活動を優先してしまい、内臓が働き続けることになります。これでは脳や体が十分に休まらず、眠りが浅くなってしまいます。

 次に、入浴のタイミングも重要です。スムーズな入眠には「深部体温」の変化がカギを握ります。入浴によって一時的に上がった体温が、その後急降下していく過程で、私たちの体は自然な眠気を感じるようにできています。この落差をうまく利用するために、就寝の1時間ほど前までに入浴を済ませるのがベストです。