英国史上、最も在任期間の短い首相となるリズ・トラス氏は、確かに多くの不名誉を背負っている。ポンドの下落、迫り来る不況、そして保守党の政治的崩壊は同氏の責任であるらしい。わずか44日間ですべてを成し遂げたのだ。  トラス氏は20日、大失敗の末に首相を辞任すると発表したが、その責任は同氏一人のものでは到底ない。与党保守党が政権を担ってきた12年間、特にボリス・ジョンソン前首相時代の2019年以降に同党が犯した経済政策の失態のスケープゴートにされているのだ。  トラス氏の減税策は単なる提案として2週間存在しただけで、議会での採決にすら至らなかった。