家族の中で疎外感を覚えていたり、兄弟姉妹のほうが自分より大切にされていると感じたり、いつも誰かと比較されていたり、過去の家庭環境が「私なんて」につながってしまうのです。

 転んだ時に笑われた、給食を全部食べられず辛かった、しょっちゅう忘れ物をして怒られた、友達に悪口を言われたなど、子どもの頃の嫌な記憶が「私なんて」につながることもあります。

「どうせ」とあきらめてしまうことはありますか?
「私なんて」同様に自分の性格や考え方の問題だと考えている人が多いのですが、こちらも過去の影響で「やっても意味がない」「無駄だ」と感じているケースがほとんどです。

 期待してガッカリする辛さを知っている人は、誰かに期待することをやめてしまいます。そのほうが傷つかないからです。
 信じて裏切られる苦しみを知っている人は、誰かを信じることをやめてしまいます。信じなければ、苦しまずにすむからです。
 親に愛されていないのではと感じている人は、人に愛されたいのに愛されるのが怖くなります。愛されるという感覚が、しっくりきません。初めての感覚に戸惑い、不安を感じるような状態です。

 助けてほしい時に助けてもらえなかったり、その一方で放っておいてほしい時に口出しされたり、頼っても断られたり、裏切られたり……。
 このような経験が積み重なると、「どうせ」という思いが強く刷り込まれてしまいます。

 しかも、「どうせ誰も助けてくれない」と思っていると、あなたを手助けしようとしてくれる人に気がつけません。
 宝くじを買っても、「当たるわけない」と思って放置していれば当選したかどうか分からないのと同じです。
「どうせ……」と思ってあきらめてしまうのは、「当たっていないだろうし、ガッカリするのも嫌だから当選番号は見ない」と言っているようなもの。なんだかもったいないですよね。

「私なんて」「どうせ」という不安の裏には、「過去の何か」が隠れているかもしれません。
 まずは、その可能性に気づくことからです。
 あなたの性格のせいでそう思ってしまうのではなく「過去の何か」が影響していること、その影響が何なのか分かるだけでも「私なんて」「どうせ」という気持ちはだんだん薄れていきますよ。