寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。「電子書籍フォーキャスト 」では、「2012年は電子書籍元年になる模様」(第1回 2012.5.10公開)で連載をスタートし、以降8回にわたって電子書籍を巡る最新動向をお届けしました。その後、kindleの販売・出荷が開始されるなど、電子書籍を取り巻く環境は日々変化しています。そこで、今回は特別編として、最新スペックの「7インチタブレット」にフォーカスし、電子書籍との関係を軸に考えてみたいと思います。

アップルの伸び悩みは
自社製品の食い合いが原因?

 先週末、アップルの株価急落が伝えられました。同時点で、過去最高値(昨年9月)からは37%、年初来17%下落となり、米国市場が6連騰しているなかでの凋落だけに、「成長神話の終焉」と指摘されています。

アップル、時価総額世界一の座をエクソンに譲る――成長懸念(2013.01.16)

 先週末のテレビ報道によると、アップルは、サムスンの安値攻勢に対しiPhone5発売時にiPhone4を大幅に値下げしたことで、利益率を大きく悪化させているとされています。その根拠として、「iPhone5とiPhone4の違いがよくわからない(だったらiPhone4でいい)」という街頭インタビューの様子が映し出されていました。

 しかし現実には、アップル製品間でのシフトという以上に、サムスンを筆頭とする低価格機種に圧され、販売台数そのものが低迷しているようです。「週刊ダイヤモンド」(2013 1/19)号の「iPhone5が大幅減産で“アップル依存列島”に大打撃」(p15)には、〈液晶なら5割、その他の電子部品は約3割と、大幅な減産モードに追い込まれ、半年間は低調が続きそうだ〉と紹介されています。

 実際のところ、アップルの低迷は、昨年10月下旬の決算・業績予測発表直後あたりから囁かれはじめており、アナリスト(多くは「まだまだ買い」と推奨していた)よりも投資家の予測が正しかったことを物語っています。

 一方、競合機種のほうに目を転じてみると、昨年春に発売となった「スマホでもタブレットでもない」と評されるGALAXY Note(5.3インチディスプレイ)や、昨年後半に高性能機種が相次いで投入された7インチディスプレイのタブレットが人気機種となっています。これらの好調さがアップルに対するボディブローとなり、昨年の第三四半期に顕在化してきたということではないでしょうか。