こんにちは、「電子書籍フォーキャスター/World Business Trend Tracker」の吉田克己です。今回も電子書籍マーケットの将来予測(フォーキャスト)をお届けします。巷間では、鳴り物入りで発売日(7月19日)を迎えた楽天koboのサービス開始からちょうど2週間が経ちました。そこで、初期トラブルに見舞われながらも迅速に収束したkobo騒動と、それ故に詳しく語られた関係者のインタビューから見えてきたことを踏まえた上で、2回にわたりこれまでのまとめをしてみます。

好調な販売台数とトラブルと
両方で火が点いた電子書籍市場

 楽天の三木谷社長によると、電子書籍専用端末「Kobo Touch」は、――初期トラブルを収束させた後のインタビューでは――発売から1週間で10万台弱が売れたそうで、販売台数としてはまずまず順調な滑り出しではないでしょうか。

 第5回を「7月、楽天の『コボタッチ』発売でいよいよ火が点きそうな電子書籍端末商戦」と冠した筆者としても――販売状況とは別の理由でも火が点いてしまったようですが――手応えを感じています。

楽天・三木谷社長、Kobo騒動を語る(2012.07.27)

cf.楽天Koboスタート。三木谷社長単独インタビュー ~楽天が電子書籍市場で狙うもの~(2012.07.19)

 その一方で、同じ、「実際に騒いでいる人の数を数えると、まずたいしたことないと思いますよ。騒いでいるのはせいぜい2000~3000人でしょう。致命的な問題があった訳でもないし……」と答えたことが、インターネット上の騒ぎを助長する原因にもなったようです。

 また、同社の執行役員と三木谷氏とでは、トラブルに対する受け止め方が極めて対照的であることも話題になっています。

楽天koboに何が起きたのか(2012.07.25)

 以下、この2つのインタビュー記事の中から気になる点、フォーキャストのヒントになりそうな点を拾ってみます。