【シェフチェンコフ(ウクライナ)】ロシアの装甲部隊が人口2万人のこの田舎の村に進軍してきた侵攻初日、バレリー・プリホチコ村長は窓の外を通る戦車や大砲車両・戦闘車両を数えようとした。  数百まで数えたところで、あきらめた。「多すぎて数えきれなかった」とプリホチコ氏は言った。「恐ろしかった」  ロシア国境から約35マイル(約56キロメートル)の場所に位置するシェフチェンコフは2月24日午後、戦わずして陥落した。その後の半年間にわたるロシアによる支配の中で、多くの地元住民が、ロシアがその畏怖を抱かせる軍事力によって、永遠にここに居座り続けると信じるようになっていった。