米電気自動車(EV)大手テスラはこれまで、危険が潜む米中関係を綱渡りしてきた。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が米ツイッターを買収したことで、事態は悪化している。テスラは中国に大きく依存している。中国は世界最大のEV市場で、テスラの1-9月期の売上高の約24%を占めた。だが、車両販売以上に大きく依存しているのが生産面だ。同社最大の製造・輸出拠点である上海工場のセダン「モデル3」とクロスオーバー「モデルY」の生産能力は年間75万台以上で、これは世界生産能力の約5分の2に相当する。上海工場の台頭が、ここ数年のテスラの利益率の上昇を反映していることは偶然ではない。同社は中国産の電池材料も必要としており、現地サプライヤーのガンフォンや雅化からリチウム化合物を調達している。