自分の好きなことより他人の意見に従ってしまう、選択と決断が苦手、決めてから後悔しがち……。そんな人におすすめなのが、2022年10月26日に発売の『私はすべて自分で決める。』(チェ・フン著 李明華訳)だ。著者は自分のことを「決められない症候群」と呼ぶほど、自分の選択と決断に自信がなかった。そんな著者がどうやって、「決断のプロ」になったのか、選択と決断のための具体的なノウハウを凝縮したのが本書だ。原書の『選択と決定はタイミングだ』は韓国本国で発売2週間で韓国大手書店で自己啓発ジャンルで1位になるなど注目を集めている。「この本は自分の人生の主役として生きる方法を教えてくれる」「より良い選択をしたいと願う人たちにすすめたい本」など絶賛と共感の声が相次いでいる本書。今回は、本書の発売を記念して特別に本文より一部抜粋、再編集して紹介する。
いったん立ち止まって整理しよう
どうすれば第三者の助言や忠告に振り回されず、自分が望む選択ができるだろうか?
結論から言えば、自分の価値観と主観を持つことだ。
自己確信にもとづく自分なりの価値観や主観があってこそ、選択と決断において自分が主役になれる。もし人の意見に流されそうになったら、次の予防法を試してほしい。
1つ目は、停止(Pause)だ。
AとBのどちらを選ぶべきかわからないとき、チョルスの話もヨンヒの話も正しいような気がするとき、いったん立ち止まって考えを整理する。
選択と決断を行うべき状況で、自分の判断か、他人の忠告やアドバイスに揺れているだけなのか、しっかりと見極めなければならない。
私は早起きして散歩をする。
軽いウォーキングをしながら、今悩んでいることを1つだけ、頭の中で整理する時間を持つようにしているのだ。
歩きながら考えると、頭の中が整理され、良いアイディアが浮かぶこともある。
2つ目は、考えること(Thinking)だ。
人の言うことに従って選択し決断したとき、どんな結果が出るかを考える。
自分が望む結果になるか、自分が望む方向に物事を進められるかを考えるのだ。
1つでも疑問に思ったり、しっくりこないところがあったりしたら、果敢に人の意見を選択肢から消し、自分の計画に沿って物事を進められる方向にのみ思考を集中させよう。
3つ目は、ゆっくり(Slowly)決めることだ。
決断を急ぐ必要はない。
目の前のチャンスを逃すような気がしても、自分の中で確信を持てないのであれば、少し時間をかけて考える必要がある。
すぐ動いて意思表示をしたり、決めたりしなければいけないと焦ってしまうと、希望する結果を得られない可能性もある。
そのため、私は決断するまでの期限を決めている。
自ら期限を決めて手帳に書き込み、携帯電話には期限の前日と当日にアラームを設定し、自分との約束を守ることにしている。
そうしなければ悩むことに時間を取られ、肝心の考えることができずに結局、他人の意向に沿った決断をしがちになる。
少し立ち止まって(Pause)考え(Thinking)、ゆっくり(Slowly)決断すること。
ひとりの時間をつくり、地道にこの「PTS」を実践した結果、私は選択と決断が苦手な人から慎重な人に、選択と決断をスムーズに行える人に変わることができた。
同時に、流されやすいところを意識的に変えることで、自分の価値観と基準で選択し、決断できるようになったのだ。
(本稿は、チェ・フン著 李明華訳『私はすべて自分で決める。』から一部抜粋・再構成したものです)
【発売直後に韓国大手書店で自己啓発ジャンル1位】韓国の“自己変革”ベストセラーエッセイが日本上陸!
「自分の好きなことより、他人の意見に従ってしまう」「つい決断を先延ばしにする」「なんでもいいが口グセ」……かつて「決められない症候群」だった会社員が教える、最良の選択と決断のための具体的なノウハウをまとめた31のエピソード。選択と決断が苦手な人は必読の1冊。
「どうしてあんなことをしてしまったのだろう?」
「今度は何がいけなかったのだろう?」
「後悔ばかりしてしまうのはなぜだろう?」
ひとりでいると、ついそんなことばかり考えてしまう。
私には自分に対する信頼と確信がなかった。
どんな選択が自分のためになるのか、自分がどんな決断を望んでいるのかもわからなかった。
ただ人に言われるがままに決め、それを自分の意思のように伝えるのが日常茶飯事だった。
そんな私は周囲の言うことをよく聞く友人であり、聞きわけのいい息子だった。
だが社会人になると、そんな私の性格はむしろ毒になった。
「自分の意思がなく消極的な人」「ひとりでいるのが好きな『孤島』みたいな人」「何を考えているのかわからない人」。自分の考えを主張するよりも周りの人たちの意見を聞き入れ、相手の意向に合わせて判断し行動していた私は、周囲にそう評価されていた。
そのときはじめて「こんなふうに生きてはいけない」と思った。
その場の雰囲気が悪くなるのが嫌だから、人と自分の意見があまり変わらないから、相手の意見のほうが周りにとっても自分にとってもいいと思ってしていたことが、むしろ私を「どういう人かわからない人」にしてしまっていた。
もう二度と、人の視線や基準に合わせて選択と決断をしたくない。
自分の意思と経験にもとづいて意見を言い、行動する人生を生きたいと思った。
だが、コロコロ変わるコインの裏表のように、自分の性格を変えるのは簡単ではない。
そこで私は、三日坊主も10回くり返せば1ヵ月になると考え、3日やってはやめ、また3日やってはやめる、とくり返すことで、少しずつ習慣づけていくことにした。
この本に書かれていることは、選択と決断を恐れていた私がいかにして慎重に判断できる「決断のプロ」に変わったのか、その挑戦と努力の軌跡である。
【本書の目次】
PART1 私たちはなぜ小さなことも決められないのか?
・人類最大の難題、チャジャン麺かチャンポンか?
・ちょっと待って! 私には考える時間が必要だ
・後悔することを恐れていては決められない
・自分の人生の主役は誰?
PART2 ベストな選択と決断に導く5つのキーワード
・肯定! 自分のあらゆる決断を肯定せよ
・シンプル! もっと単純に考えよう
・確信! 自分自身を知ろう
・完璧! 完璧主義の奴隷から抜け出そう
・経験! ベストな選択は経験から生まれる
PART3 頭の中を整理するために必要なこと
・複雑な思考を整理するベストな方法―頭の中のサルを黙らせる
・躊躇する心にひそむ感情―「感情の天秤」を理解しよう
・揺るぎない自分なりの信念を持つ―人の言葉に惑わされない方法
・話し方の練習が必要な理由―決断のプロの話し方
・選択と決断、その前に確認すべきこと―決断のプロのチェックリスト
PART4 最善の選択が最高のチャンスをつくる
・選択したあとのことを恐れるな
・決断しなければチャンスはやってこない
・決断のプロは分析のプロ
・迷わず実行するための5秒の魔法
・時にはあきらめも賢明な決断になる
PART5 すべては「実行」によって完成する
・ひとまず「サム、マイウェイ」
・自分のことだけを考える時間を持とう
・決断に決断をプラスするルールづくり
・実行こそベストな選択だ
・ためらわず、思いきって決める
PART6 人生は決断力だ
・決断すべきときが来たら、後悔という言葉を頭から消すこと
・自分を知ってはじめて、自分で選択できる決断しなくてもいいときもある
・人生最大の選択と決断の瞬間
・あなたには選ぶ資格がある