通販Photo:PIXTA

コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度の通販編だ。

コロナ禍で活況を呈した通販業界だが…

 通販の主要3社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯アスクルの単体売上高
 7月度:前年同月比105.6%(5.6%増)
 8月度:同108.1%(8.1%増)
 9月度:同103.0%(3.0%増)

◯モノタロウ(MonotaRO)の売上高
 7月度:前年同月比121.5%(21.5%増)
 8月度:同119.9%(19.9%増)
 9月度:同118.2%(18.2%増)

◯ベルーナのアパレル・雑貨通販事業売上高
 7月度:前年同月比94%(6%減)
 8月度:同100.8%(0.8%増)
 9月度:同88.7%(11.3%減)

 通販主要3社の7~9月度の業績では、アスクル、モノタロウが3カ月連続で増収となった。ベルーナは長く苦戦が続いているが8月度は8カ月ぶりに微増ながら前年同月比プラスとなった。

 4~6月度の業績では、モノタロウのみが3カ月連続2桁増収で桁違いの強さを見せ、天気図は「快晴」と「雨」が入り乱れるまだら模様だった。では、7~9月度では業界全体が明るくなってきたと言えるのだろうか?実は新型コロナウイルス禍の影響を取り除いた数字をひも解くと、そう言い切れない要素が見えてきた。詳しく解説していこう。