経営コンサルタントの神田昌典氏が、アメリカで百年以上続く売れるコピーライティング技術を日本で普及させ、はや25年。その集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。東証プライム上場社長で現役マーケッターの木下社長が、「3520円はタダみたいなものだ」と強力推薦する本が話題になっている。スマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介する。

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B to Cだけでなく
B to Bにも有効な理由

 コピーライティングは、B to C(企業と消費者の取引)だけでなく、B to B(企業間の取引)にも有効だ。

 事実、『伝説のコピーライティング実践バイブル』の著者のロバート・コリアーは、企業向けにセールスレターで石炭を売っていた。それが下記だ。

1立方フィートあたりいくらガス代をお支払いですか?(というのが私たちのレターの基本だった)
そのコストを4分の1減らす方法をお伝えしたら、試してみようと思われますか?

シンシナティの〇〇ガス会社はそれ以上のコスト削減を実現しました。これが、そのご担当者からいただいた手紙に書かれていた数字です(正確な数字とコストを引用)。インディアナポリスのバンク社や(ほかにも4、5社、同業者に評判のいい、有名な会社名)でも同じようにコストを削減されています。お時間がございましたら、こうした各社の正確な数字も喜んでお送りいたします。

ただし、他社の施設のどんな数字よりも、御社の施設での数字を書き換えるこのチャンスのほうが大切です。同封のハガキをお送りください。お金は不要です。ハガキがこちらに届き次第、パウエルトンの検査済ガス用石炭を貨車1両分お送りします。
ぜひお試しください。お好きなように使ってみてください。そして、石炭1ポンドあたりガスがどれだけ得られたか、そしてそのガス代を計算してみてください!当パウエルトン石炭が御社のコストを少なくとも25%削減したことにならなければ、お送りする貨車1両分の石炭には一銭もいただきません。

反対に、御社のガス代を25~33%削減できることが実際にご確認いただけた場合は、来年度のガス用炭すべての契約を当社と結んでください。ウエストバージニア州パウエルトンからのFOB価格は1トンあたり1ドル25セントです。

繰り返します。節約できなければ無料です。でも、当社の石炭で25%の節約になれば、ご契約いただきます。いかがでしょうか?
(出所:『伝説のコピーライティング実践バイブル』)

担当者のベネフィットが大事

 B to B向けでも、取引の意思決定をするのは「会社」ではなく取引窓口となる「個人」だ。

 だから、ターゲットはそのメッセージを最初に目にする会社の担当者にする。

 そして、会社だけでなく、担当者のベネフィットも一緒に考える

 たとえば、社内でコストダウンの提案が受け入れられれば、その担当者が評価され、社内の立場もよくなる。

 B to Bの場合、ターゲットとの関係にもよるが、文章のトーンはB to Cより「硬め」のほうがいい。あまりくだけすぎないようにする。

 しかし、これも読み手次第だ。読み手が、金融業界なら硬めにし、ゲームソフト業界ならややカジュアルにするイメージだ。本書274ページの「顧客の頭の中にある言葉を使う」のは、B to CでもB to Bでも同じなのだ。

 文章は、ターゲットとベネフィットのところだけ、B to B仕様にすれば、後は一般的なコピーライティングの原理原則がそのまま使える。

初対面でも担当者を「その気にさせられる人」と「その気にさせられない人」の決定的な違い

PS.1.『コピーライティング技術大全』の活用法を解説したセミナー動画をご覧いただけます。
(この動画は予告なく終了することがあります)

PS.2.本書の巻頭・巻末には、あなたの売上を劇的に上げる4つの最強の武器…【PMMサーチシート】【PMMセルフチェックシート】【「BTRNUTSS」見出しチェッカー】【PASBECONAテンプレート】を書籍初公開しました。
 そしてこのたび、【広告評価プログラム】について特許を取得しました。

 これら4つの武器は、四半世紀の叡智を凝縮したもので、即効性と再現性が担保されています。

初対面でも担当者を「その気にさせられる人」と「その気にさせられない人」の決定的な違い

(本原稿は、発売たちまち大重版となった、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)