経営コンサルタントの神田昌典氏が、アメリカで百年以上続く売れるコピーライティング技術を日本で普及させ、はや25年。その集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。東証プライム上場社長で現役マーケッターの木下社長が、「3520円はタダみたいなものだ」と強力推薦する本が話題になっている。スマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介する。

メールを読むビジネスマンPhoto: Adobe Stock

「顧客の頭の中にある言葉」は2種類

 LP・セールスレター、メールなどでセールスメッセージを書くときに重要なのは、「顧客の頭の中にある言葉を使う」こと。これを知っているか否かで天国と地獄なのでもう一度言う。

 自分の頭の中にある言葉ではない。「顧客の頭の中にある言葉」を使うのだ。

「顧客の頭の中にある言葉」には2種類ある。

1.顧客が普段使う単語
2.顧客の悩みや理想が言語化されたもの

 1.は、顧客が知っている言葉、普段使っている言葉だ。

 売り手はその道の専門家だが、買い手は違う。

 だから、売り手がなにげなく使う専門用語が、買い手にはまったくわからない。業界用語や専門用語は無意識に使ってしまうから要注意だ。

 ただ、業界用語や専門用語を絶対に使ってはいけないわけではない。

 相手もその道の専門家である場合は使っていい。

 この場合、あえて業界・専門用語を使うことで、「この人はわかっている」「同じ仲間だ」と親近感につながる。特に医師や弁護士、税理士など高度な専門職の場合は有効だ。

 たとえば、医師・看護師の世界では「バイタル」という言葉を使う。

 バイタルとは、「バイタル-サインの略」で、「脈拍・呼吸・体温・血圧・意識・反射など」のことだ(『広辞苑 第七版』)。

 医師・看護師向けに「バイタル管理をラクにする3つの方法」という見出しは通用する。

 しかし、一般の人には「日々の血圧測定をラクにする方法」くらいに表現しないとわからない。

 逆に、医師・看護師向けに「脈拍や呼吸や体温の測定をラクにする方法」と書くと、「それってバイタルのことだよね。この人、素人だな」と思われてしまう。

 このように読み手が普段使っている言葉を使うと、読み手の頭にスッと入ってくるが、逆に、読み手が見慣れない言葉だとさっぱり興味を持たれない。

 次に、「2.顧客の悩みや理想が言語化されたもの」は、必ずしも単語とは限らない。

 先のペルソナ設定で、ペルソナとおぼしき人にヒアリングして話を聞くのが一番と述べたが、ヒアリングの最大の収穫は、「読み手=顧客の頭の中にある言葉」を発見できることだ。

 先ほど触れたターゲットが「毎日血圧を測るのが大変でね~」と語っていたら、それが顧客の頭の中にある悩みが言語化されたものだ。

 顧客が何に悩んでいるのか(悩んでいたのか)?

 どんな理想を持っているのか?

 これらを聞き出し、顧客の言葉で表現するのが「刺さるコピー」の秘訣だ。

 ただ、どうしても直接ヒアリングできない場合もあるだろう。

 そんなときは次のことを実行してみよう。

●ターゲットがよく見そうなウェブサイトや雑誌の中を探す
●既存客のアンケートの記述から探す

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読み手の頭にスッと入ってくる言葉と入ってこない言葉のたった1つの違い

(本原稿は、発売たちまち大重版となった、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)