仮に米ツイッターが破産法の適用を申請すれば、イーロン・マスク氏が最大の敗者になるだろう。マスク氏は10日の全社ミーティングで、ツイッター従業員に対し、同社の手元資金にどれくらいの余裕が残っているのか分からないとして、「倒産もあり得ない話ではない」と語った。マスク氏の話は誇張も多いが、ここでは彼の言葉を真面目にとらえてみよう。ツイッターが倒産した場合、2週間前に440億ドル(約6兆1500万円)を投じてツイッターを買収し、自己資金270億ドルを注ぎ込んだばかりのマスク氏に最も考えられる事態は、その投資のほとんどが水の泡になるということだ。企業再建時の債権者への支払いは株主が最後になるからである。マスク氏とともに出資した、ベンチャー・キャピタル(VC)のセコイア・キャピタル、暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンス、カタール投資庁などにも同様の結果が待っているだろう。だが、マスク氏は圧倒的な最大株主だ。
マスク氏のツイッター倒産警告、現実なら最大敗者は自分自身
有料会員限定
あなたにおすすめ