米百貨店は、消費者の機嫌を取ろうとクリスマス商戦を前倒ししたが、冷たくあしらわれてしまった。果たして、今年は書き入れ時が例年より遅くやってくるのか、それともクリスマス商戦は見込み薄なのか。米百貨店大手メーシーズとコールズがそれぞれ発表した8-10月期(第3四半期)決算は、1年で最大の書き入れ時である年末商戦を控え、ささやかな期待に応える内容だった。メーシーズの8-10月期既存店売上高は前年同期比3.1%減で、調査会社ビジブル・アルファがまとめたアナリスト予想の4.3%減よりも小幅な減収にとどまった。コールズの既存店売上高は6.9%減と、最近の会社予想と一致した。米国の中所得者層は、明らかにインフレによる打撃を受けている。メーシーズの名を冠した百貨店の既存店売上高が4%減(ライセンス店含む)だった一方、傘下の高級百貨店ブルーミングデールズは4.1%増と健闘した。同じくメーシーズ傘下で高級化粧品・スキンケア製品を扱うチェーン店のブルーマーキュリーも既存店売上高が14%増と好調だった。コールズは17日に8-10月期決算を発表した際、中核の中所得者層が最も厳しい状況にあり、1回の買い物での購入商品を減らして、プライベートブランドに切り替えていると説明した。また、低所得者層や高所得者層は、中所得者層よりも持ちこたえていると指摘した。