食事療法に取り組んでいる人は食生活を健康的と過大評価
米国心臓協会(AHA)学術集会(Scientific Sessions 2022、11月5~7日、米シカゴ/バーチャル開催)における、米ハーバードT. H.チャン公衆衛生大学院のJessica Cheng氏らの報告によると、何らかの食事療法に取り組んでいる人は、自分の食生活を実際よりも健康的だと過大評価しがちのようだ。減量のために食事療法を1年間続けた人に、自分の食事スタイルを評価してもらい医療者の評価と比較した結果、両者の評価が一致していたのは4人に1人にとどまり、さらに1年前からの改善幅が一致していたのはごくわずかだったという。
「米国成人の約半数が体重を減らそうとしている。実際に、果物や野菜、全粒穀物を増やしたり、肉は赤身肉にしたり、乳製品は低脂肪のものに変える人も少なくないが、その変化を過大に捉える可能性のあることが、これまでにも指摘されていた」とCheng氏はこの研究の背景を語っている。そこで同氏らは、個人の食事スタイルについての自己認識が医療者の評価とどの程度乖離しているのかを調べるため、減量に取り組んでいる米国ピッツバーグ地域の居住者116人(年齢35~58歳)を対象とする研究を行った。